教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

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教員ママの野望と活動と子育ての記録。

埼玉県HP子育て支援員研修『放課後児童コース』では放課後児童支援員の”資格”が取れない!

埼玉県子育て支援員研修『放課後児童コース』

以前から参加している埼玉県主催、(株)ポピンズによる
子育て支援員研修であるが、いよいよ学童の専門研修がきた!
学童についてはまだまだ知識・情報がない分、
この専門研修を楽しみにしていた。
専門研修は川越の東上パールビルヂングで2日間行われた。
10月10日・16日と平日なので、この研修のために休みもとった。

研修の先生は、全国学童保育連絡協議会に長年勤めて、
現在大学でも講師をされている方である。
専門研修が始まってすぐに、私は衝撃を受けた!!
何が衝撃だったかというと…

この『放課後児童コース』では、学童の専門資格である
『放課後児童支援員』の資格が取れない!!ことが分かった。

休憩時間に専門研修の先生に直接質問してみた。
「あの~、町役場の健康福祉課の方から、県の研修に申し込むと
学童の資格が取れると聞いていて、参加したのですが…。」
「町から直接、その資格研修に申し込むんだよ」とのご返答。
なんてこった…。埼玉県のHPにも、ポピンズの申込書にも、
資格が取れないとか・取れるとか、何も書いてなかったぞ?
研修後、役場に行ってみたところ、
「え?そうなんですか?じゃぁ、町の学童連絡協議会から
申し込むのかな?どうなのかな~?」と言われた。
結局今年は資格が取れないのは確実。ガックリ。

放課後児童支援員という『資格』

この専門研修で学んだことであるが、
2014年までの国の制度は公的責任があいまいで、最低基準もなく、
予算措置があいまいで補助金も少ないものだったという。
国は、もっと以前は児童館(子どもが遊びに行く場所)があるから
学童(子どもの放課後を預かる場所)はいらないと考えていたという。
滑川町は、そもそも児童館もありませんが!!

それが『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準』や
『放課後児童クラブ運営指針』が出されて、
2015年4月から国の制度や市町村の政策も大きく変わった。

放課後児童支援員の『資格』取得の研修は2015年から始まり4年目。
2019年までに、全国すべての学童にこの資格をもつスタッフが
1~2名いなくてはならないということが決まった。
この5年間は移行期間である。
支援員の資格は、保育士資格や教員免許と同じように、
取得した自治体に関係なく、取得していれば全国どこでも
この資格を提示して学童で支援員(指導員)として働ける。

私は「この資格が作られて、良かった」と考える理由が3つある。

・専門の研修が多くなるため、学童支援員の質を高められる。

・学童支援員も『専門職』であるということを社会に示すことができる。
学童の先生は、大変な仕事であるにも関わらず、
だれでもなれると思われがちである…。
つまり学童の指導員の社会的な地位向上にも役立つ!

・学童支援員の給与UPにつながる。
学童は常勤勤務の方もいるが、非常勤・パートさんが多い。
非常勤さんたちは、勤務時間=子どもが学童に来る時間帯、が多いが
常勤の支援員さんは午前中から、お掃除やら、お手紙やら、
教材やら、おやつの準備、他にも年間計画を立てたり…
子どもがいない時間も色々な仕事を抱えている。
子どもを見守るだけでなく、子どもの成長を支え、
子どものいる家庭を支え、周りから見える以上に大変な仕事である。
にも関わらず低賃金といわれている。
学童支援員さんの年収は、良くても300~400万。
非常勤さんはもっと低いことになる。
法整備がなされたことで、学童支援員さんの社会的地位が上がり、
経験年数によって賃金が上がる、という施設も今後増えてくるだろう。

保育士も学童支援員も社会的地位の向上と給与UPをすることで、
やりたい人が増え、保育園や学童の質が良くなるとともに、
保護者が安心して預けられる→少子化対策にもなる?とまで思えてしまう。

専門研修を受けて学んだこと

今回の研修で私が特に学んだことをまとめる。
(すでに学童支援員として働いている方には
当たり前のことかもしれないが…。)

学童は『生活の場』である。信頼関係が重要!

学童は子どもが「ただいま~」と帰ってくる生活の場所である。
ただいまの声や表情やしぐさなどを支援員は読みとり、
今日は学校で何かあったかな?などを考えつつ
「おかえり」と言って受け止め、話を聴く。

子どもは『学童に行くのが当たり前』ではないので、
学童に日々通えるように、行きたくなるように、支援したり
環境を整えることも支援員の役割。

子どもが“安心して”生活できるようにするためには、
大人との信頼関係が重要であり、
子どもの発達段階に合わせた支援を行っていく。
子どもが無意識に発信している信号をキャッチして、
言葉にして投げ返してあげること、つまり
小さな受容の繰り返しで、信頼関係が作られていく。

また、学童はあくまで、生活の場を提供することが目的なので
『勉強を教える』『○○できるようにする』などの“教育”は、
本来の学童ではしないという。
それでも時と場合に応じて、宿題のサポートをしたり、
ルールを守らない場合や、他の子を傷つける場合などは、
子どもに合わせて指導していく必要がある。

子どもが、やりたいこと(主体性)を大事にする。

学童の法整備に伴い、児童の権利に関する条約の考え方が含まれ、
子どもが自分でやりたいことを主体的にやることが重要だと
学童でも位置づけられた。

子どもはやりたい遊びをやれるというだけでなく、
宿題も、子どもがしたいときに自分でやるということ。
大人から与えられてやるのではなく、仕方なくやるのではなく、
宿題も遊びも自分でやりたいときにやる。
支援員は、宿題を促す声掛けをしたり、遊びに誘ったりはするが
子どもが自分の意志でやることが大切だという。
子どもがしたくない遊びは、断ることもできる。

ここでちょっと難しいのが、親の意見だと思う。
親は、宿題を学童で行ってほしいが
子どもは学童ではしたくない場合があったりする。
私も親として学童で宿題までしっかりサポートしてくれれば
助かるという気持ちがよくわかる。
親の意見を取り入れ、学童で『宿題の時間』を設けている場合もあるし
『帰ってきたらまず宿題』というルールの学童もある。
子どものやりたくないという気持ちも受け止めつつ、
宿題を促すには、支援員のスキルと信頼関係が重要になると思う。

安全・安心への対応のために…

学童の場は、意外と危険がいっぱいある。
教員をしていると保健室があり、保健の先生がいるので安心だが
学童は支援員が全部行うことになる。
医者や看護師ではないので消毒などの医療行為はできない。
学童支援員・補助員は、日ごろから危険やケガ、トラブルへの対応を
話し合っておき、チームで解決していく必要があるという。
学童支援員が気を付けておくべきこととして、
学んだことを整理しておきたい。

・状況の整理
何かトラブルや危険なことが起きた場合などは、
いつ、どこで、だれが、どのようになど、具体的に記録をしておく。
支援員がそばにいないときに起きた場合は、他の児童からも
聞き取りを行い、正確な情報を集める。
この情報は支援員の間で共有・整理することで、
保護者への連絡の際や、今後の予防や対策にもつながる。

・衛生管理
日常的な設備の清掃・消毒の実施や、施設周りの見回り・点検、
手洗いうがいなどの指導も欠かせない。
特におやつを提供することの多い学童では、
食中毒の防止のために、食器等の管理・洗浄、おやつをつくる人の
手洗いうがい、マスク・エプロン・手袋等の着用、
おやつの賞味期限管理、おやつの調理方法、自治体によっては検便、
ごみの処理の方法など、色々なことに注意しなければならない。

・アレルギー
おやつを提供する学童では、食物アレルギー・誤食の防止も
気を付けなければならないことである。
アレルギーをもつ子どもの増加とアレルギーの多様化に合わせて
保護者から事前にアレルギー情報を提供してもらい、
誤食を防いでいく必要がある。
夏休みなどお弁当を持ってくる学童の場合、子ども間で、
おかずの取り換えっこなどを行うケースもあり、気をつけること。
また、今までは食べても平気だったものでも
突然、発症してしまうことのあるので、子どもの様子には気を配る。
アナフィラキシーが起きてしまった場合には、
エピペンがあれば使用し、救急車を呼ぶ。

・ケガ
小学生のケガは、1年生男子に多く、時間は15~17時に多い。
つまり学童にいる時間、放課後遊んでいる時間に危険が起こる。
特に、切り傷・擦り傷・鼻血・突き指などが起こりやすい。
血が出た場合も水で洗って、きれいな布等で圧迫して、心臓より高くする。
マキロンなどの消毒、鼻血で鼻にティッシュを詰めるなどの行為は
原則、支援員はできないという。

日ごろから『ヒヤリ・ハット報告書』を作っておき、
実際に大きい事故・ケガになる前に、起こりやすい危険について
時間・場所・活動内容を振り返っておく必要があるという。
ケガの要因を全て排除するのではなく、
「小さなケガは、子どもの発達にとって必要なこと」ととらえ
子どもが自分で考えて、危険かどうか、やっていいかどうか
判断できるようになることが大切だと学んだ。

最後に…

子育て支援研修では、意外と学べることが多かった。
今年、資格が取れないことは残念であるが、
資格がないと学童を開くこともできないので
今度、滑川町の学童連絡協議会に連絡してみようと思う。

滑川町の学童作りに興味のある方、よかったらご連絡ください。
→お問い合わせフォーム

NPO作りもそろそろ準備会を行おうと思います。
滑川町の地域で子育てに関心のある方も、ぜひご連絡ください。

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