今こそ憲法を学ぶ② ~子どもたちの未来を守るために
子どもと憲法の話
前回の記事『今こそ憲法を学ぶ①』で、
憲法と現政権との関係性についてをまとめた。
今回は、子どもと憲法について考えたいと思う。
子どもと憲法と言えば第26条『教育を受ける権利』が
一番に思いつく。
そして義務教育はこれを無償とすると憲法に書いてある。
本当に義務教育は無償なのか?
小学校によっても異なるが、毎月数千円程度徴収される。
滑川町は給食費はないが、通常は給食費やらPTA費やら
なんだかんだとお金がかかる。
最高裁は「問題ない」との判断を下したという。
授業料だけが無償で、他の費用は徴収してかまわないと。
憲法は「これを無償とする」としか言っていないのに。
無償の範囲が『授業料』とは限定していないのに…。
安倍政権は、憲法改正の1つとして『高校の無償化』を
挙げていると憲法カフェで学んだ。憲法では、
義務教育=『小中学校のみ』とは限定していない。
小中学校のみに限定しているのは、憲法より格下の、
法律だという。…ということは、高校も含めて、
『憲法』を改正しなくても、無償化できるわけである。
だって憲法は教育の無償の範囲を限定していないから!
憲法ではなく、その下の『法律』を変えれば終わりだ。
それでも安倍政権は高校無償化という名目で、
憲法を変更すると言っているらしい。
国民は憲法を見ないし、知らないから。
今後も憲法なんて見ないだろうし、学ばないだろうから。
安倍政権は国民をバカにしている!
確かに、私も、初めは憲法なんて興味なかったが
憲法のことを知ってしまったからには、我慢できない。
「憲法を現状維持したまま、高校無償化しろ」と叫びたい。
子どもと貧困
毎月だけでなく、小学校入学時にもお金はかかる。
ランドセル・制服やジャージで10万円近くする。
貧困世帯には修学旅行の補助費が出ることもあるらしい。
でも林間学校は100%家庭の負担になるという。
「お金が払えないから自分だけ参加できない」…など
実際にある話である。これでみんなが平等と言えるか?
以前『子どもの貧困をなくすために…』でも考察したが
子どもの7人に1人は貧困であるといわれている。
OECD加盟国(経済協力開発機構)の35か国で比べると、
ひとり親の就労率は一番高い(85%以上が働いている)のに
相対的貧困率も、一番高い(ひとり親の半数以上が貧困)!
これは正規雇用よりも非正規雇用が多いことが
理由として挙げられている。
ひとり親の労働収入だけでなく、
国からの援助がもっと必要であると思う。
さて、憲法カフェでは、高等教育(大学進学)に関する
具体的な数値を紹介された。
大学進学率は、2018年過去最高の57.9%。
奨学金は2人に1人が借りている。
奨学金の総額は平均313万円、返済期間は平均14年。
大卒でも、正規雇用につけるかどうかわからない時代。
大卒の4割が非正規雇用になるらしい。
奨学金自己破産は、過去5年間で、のべ1万5千人。
ここからは自分の意見になるが、
大学を出たばかりの20歳前半の人が、
奨学金という300万円の借金を背負って生活する怖さ。
奨学金で自己破産すれば、実家にも顔向けできず…
奨学金があるから、結婚したくてもできず…
奨学金で徴収されて残ったお金でぎりぎりの生活…。
夢を抱いて大学に行ったはずなのに…。
経済的に余裕がなくても、大学進学を勧めてしまう
高校教員・進路指導の側にもある意味では問題がある。
生徒の大学合格=高校の進路実績にもなるから、
大学進学を勧めているところもあるのではないかと思う。
しかし、実際の進路指導の場において、
生徒の経済的な事情は、特に聞きにくい問題でもある。
最終的に、受験させるかさせないかは、家庭の判断だ。
大学入試にはお金はかかる。受験料1校で、3万円程度。
普通の高校の進路指導では、第一希望だけ(1校だけ)
受けさせるというわけには、いかないだろう。
多くの生徒が受ける『センター試験』にもお金がかかる。
『センター利用の大学入試』でも各大学で受験料がかかる。
あまり人気ではない大学は「併願入試で受けてもらって
(滑り止めとして受験して)、入学しなくても良いから
受験料は頂戴ね」とでも言っているようにさえ感じる。
大学側だって、運営していくには多大な費用がかかる。
色々な問題点を考えてみたが、一番の問題は『国』だ。
憲法カフェで示された情報を書いてみると、
OECD加盟国中、2015年の『GDP(国内総生産)のうち』、
小学校~大学までの教育機関に対する公的支出『割合』は
34か国中、34位だという。
お金はあるのに、教育には使わない国だと言っている。
2008年~2013年まで6年連続、日本の高等教育(大学)への
公的支出は、最下位。2014年はビリ2。
フィンランドの3分の1しか、日本はお金を出していない。
しかも大学の授業料は、上がっているという!
国民の教育費は苦しいうえに、もっと首を絞められている。
大学に進学しても4割しか正社員になれない社会。
それでも大学に行こうと子どもたちが思うのは
大学に進学しないと良い企業に就職できないと考えるからだ。
教育への公的支出は減っているのに、
その分は、どこに増えているのかというと『軍事費』だという。
国民のだれもが、貧困しないようにと憲法は定めているのに。
戦争しないように、その分、教育費や福祉費にお金をかけろと
憲法は定めているのに、憲法を無視して
教育費や福祉費(生活保護費)を削って、『軍隊』を強くする。
貧困が出ても、国民が困っても、安倍総理は落選しないから。
安倍総理は、憲法も、国民もどうでもよいのだ。
このままでは、本当に戦争に向かってしまう。子どもが危ない。
子ども食堂と、貧困について考える
憲法カフェで講演してくださった弁護士の竪さんには
頭が下がる思いでいっぱいだ。
時間の都合上、割愛された部分について、講演会終了後に
個人的に質問したが丁寧に答えてくださった。本当に感謝だ。
竪さんは女性・子どもの貧困問題を扱うことも多いという。
竪さんが言うには「子どもの貧困対策・教育支援は、
経済対策として必要だ」と。
子どもへの経済的・教育的支援を行うことで
回りまわって『日本の国力のため』になるという。
その理由は、このまま子どもの貧困・教育不足が進むと
労働力の低下&消費者の減少→働けないので福祉費が増える。
さらに治安が悪化する可能性もあるという。
この悪循環を止めることが、最終的に国のためになるらしい。
そういう考えもあるのか…と思った。新しい発見のようだ。
子ども食堂についても竪さんの意見を聞いてみた。
母子世帯は、日々の食料などの物的支援・経済的支援を
求めているという。子ども食堂をやるなら
できれば、毎日、子ども食堂を行うことが理想だと。
なるほど。それも分からなくはない…。
でも、私が子ども食堂をやりたいのは
困っている『子ども』に、『環境』を与えたいからだ。
子どもを見る大人の目が親以外にも必要だと思うからだ。
子ども食堂でたくさんの人に会って、
色々な話を聞いて、話して、色々な価値観に触れて、
自分がちゃんと受け入れられているという経験をして
健康で、文化的に成長してほしいと願うからだ。
物的・経済的支援は、国や自治体の役目だろうと思う!
経済的な問題で、親も苦しい。子どもも苦しい。
義務教育ですら、公的補助が足りていない。
憲法改正には850億円かかるらしい。
今の憲法で十分なのに、無駄な改正なんてしないで、
それを早々に教育費に回してほしい。安倍政権には
子どもが『将来の日本』をつくるのだと気付いてほしい。
終わりに…
どうかたくさんの方に、憲法について学んでほしい。
子どもたちの未来を守るために!
憲法カフェが開催されていれば、せび参加してほしい。
私が理解した範囲の、拙い報告ではなく、
法に携わる弁護士の先生の、生の言葉が聞ける!
他に『檻の中のライオン』という本もおすすめだ。
滑川町周辺の方へ、憲法カフェでもらった予告チラシを
さくっと簡単に紹介する。
『檻の中のライオン』の著者による講演会が、3月に
『古民家ギャラリーかぐや』で行われるという。
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『檻の中のライオン』講演会
H31年3月31日(日)古民家ギャラリーかぐやで
講演15:00~17:30、交流会18:00~19:30で行われる。
費用は予約800円、当日1000円。
予約は直接、古民家ギャラリーかぐやさんまで。↓