教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

教員ママの野望と活動と子育ての記録。

吉見町の新ごみ焼却場問題と、子どもへの影響を考える

吉見町に新しく『ごみ焼却場』を作ることの問題点

吉見町に作ろうとしている新ごみ焼却場について、
なんだか問題があるらしい…。
生活クラブのチラシでも取り上げていたし、
滑川町の議会だよりでも訴訟について書いてあった。
さて、何が問題なのか…?

吉見町の大串地域には現在、すでにごみ焼却場がある。
その隣接地に新たに、ごみ焼却場を作るそうだ。
9市町村(吉見町、桶川市東松山市、川島町、嵐山町
小川町、ときがわ町東秩父村、&滑川町!)が
計画しているという。
森の測定室のお姉さんから頂いた資料
(環境ジャーナリスト青木泰さんの資料)を基に
学んだことをまとめる。

①訴訟問題…滑川町の税金2700万円が無駄になる??

話は33年前、吉見町に現在のごみ焼却場をつくる際、
建設中止訴訟が行われたという。
1986年に裁判所から
「今後、周辺地域に新たに焼却場は建設しない」という
和解案が提示され、訴えた住民と
埼玉中部環境保全組合との間で和解協定が結ばれた。

吉見町は住民と和解を結んだときの
埼玉中部環境保全組合の構成自治体である、
にも関わらず、和解協定に反して
新たに焼却場を作ろうとしている…として、
現在、建設反対の訴訟が出ている

裁判と並行して建設事業が進んでいるらしいのだが
この訴訟問題に関して、滑川町
議会だより 令和元年5月1日発行』を見ると
「埼玉中部資源循環組合の負担金2718万円について
仮に建設中止となった場合、支払った負担金に対し
得られなかった利益分は戻すよう
滑川町が組合に請求する権利はあるのか?」とある。

この質問に対する町の回答が
「これまで支払った負担金について、構成市町村が
合意のもとに組合を立ち上げた訳なので
戻ることはないと思うが、組合に問い合わせないと
わからない」とのこと。(先述の議会だよりより)

ということは、訴訟で住民側が勝って
建設が中止になったとしたら
滑川町の2700万円の税金が無駄になるかも?

②近隣の子どもの健康への、影響

焼却炉の煙突から排出される排ガスで、
おもに問題になっているのは
ダイオキシン』と『PM2.5』『水銀』である。

ダイオキシン』はベトナム戦争のときの
枯葉剤に含まれた有名な猛毒だ。
ダイオキシンを出さない対策として、
発生の原因となる塩ビ系プラごみを燃やさない・
850℃以上の焼却によってほとんど分解させる・
バックフィルターによって煙突から出さない…
などが取られてきた。

しかし、今、吉見に計画している焼却場では
プラごみを燃やす計画となっているそうだ。
90%が水分である『生ごみ』を燃やすために
プラごみを補助燃料として、燃やすという。
これでは、ダイオキシン対策とは逆行してしまう。
また、バックフィルターも廃棄物学会によると
有害物質の70%しか取れないそうだ…。

PM2.5』についていえば、細かすぎるため
煙突から放出されてしまう。
学校健康調査によると、焼却場周辺の小中学校の
児童生徒への喘息の影響が学会でも報告され
疫学上も問題となっているそうだ。
今ある焼却場の隣にまた新たに作るというのは
吉見に住む子どもや保護者、地域の方も
健康被害が心配になって当然だと思う。

煙突から排出される『水銀』は、無機水銀だが
肺呼吸によって体内に吸収され、影響を及ぼす。
水銀が出る原因はプラスチックの焼却だという。
プラごみに混じって、
プラ製品の電子家電が
焼却され、
それに入っていたボタン電池などが
燃やされ、
水銀が出る
そうだ。
日本では業界の自主規制によってボタン電池
水銀は含まれていないという。しかし、
海外のボタン電池を用いたプラ製品の輸入規制は
行われていないため、結局水銀が検出される。

③吉見の新焼却場は、建設コストが割り高!!

焼却場の建設コストは、焼却炉の大きさを
日量処理トン数当たり何千万円かかるかで表すらしい。
吉見町の新焼却場は、日量228トンで202億円…。
つまり、1トン当たり8859万円かかるという。

日本の相場は、日量1トン当たり5000~6000万円
(元武蔵工業大学の青山貞一教授の研究論文では
日量50トン以上の焼却炉では、1トン当たり5200万円)
諸外国では、1トン当たり1600万円!
日本の相場の3分の1だという。
吉見の新焼却場の割高なこと!
なぜ高いのか?再交渉できないのか?

バイオガスプラントのこと

福岡県の大木町では、バイオガスプラントという
システムを使って、ごみから資源を作っている。
バイオガスプラントとは何か?
おおき循環センターのHPから引用する。

kururun.jp

バイオプラントとは生ごみ、し尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させてガスを抽出し、
エネルギーとして利用し同時に、発酵後に発生する消化液を有機肥料として
農業利用する循環型の施設のことです。
このプラントのシステムは、主に、酪農が盛んな、ドイツ、デンマーク、スエーデンなどの
ヨーロッパ諸国で早くから実用化されています。近年では、完全密閉式で悪臭が発生せず、
しかもバイオガスによるエネルギー利用ができて、しかも安価という利点が注目され、
日本各地でも急速に普及し始めています

このHPでは、さらに、
ごみの分別をしたら燃やすごみが7割も減ったとある。
ごみも減らせて、発電もできて、肥料にもなる。
地域の方も、農家の方も、町も、地球も
良いことだらけだ。羨ましい!

豊橋市も、メタン発酵をして発電している。
国交省管轄の下水処理場が、生ごみ処理工場になり
バイオガスを取り出してエネルギーを利用している。
建設コストも低いそうだ。

www.city.toyohashi.lg.jp

滑川町もバイオガスプラントような取り組みをすれば
ごみのエネルギーを利用して温泉とかお店とか…
町が盛り上がると思うし、加えて
「自然が多くて、環境にやさしい町」という
魅力につながるのではないかと思ってしまう。

最後に…

先日3人目を生んで、久々に紙おむつを使ったら
ごみが急激に増えた!驚くほど。
紙おむつは、ごみの量が増えるし、
水分を多く含むから燃えづらい。
紙おむつを燃やすには多くの熱量が必要になる。
燃やした後の、二酸化炭素も増える。
早く、布おむつを買いに行かなくては!!
(上の子たちが使った布おむつは雑巾になった)
洗って繰り返し使えて、ごみも出さない布おむつ。
実は、とってもエコだった。

紙おむつは子どもだけでなく、高齢者も多く使う。
紙おむつを燃料としてリサイクルする企業もある。
国は、もっと、リサイクルに力を入れている
企業や自治体を応援してほしいと思う…。

子どもたちの明るい未来を守るため、
ごみや環境問題に大人がしっかり向き合わないと
いけないなと思った次第です。