教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

教員ママの野望と活動と子育ての記録。

最近読んだ本の紹介、ママにも、子どもにも。

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー

少し前から話題になっている本だ。
旦那が、会社の先輩から
「子どもが3人いるんだから読んどけ」と渡されて
旦那に「面白いから読んだら?」と勧められて読んだ(笑)
イギリスに住む日本人ママと、アイルランド人のパパと
その中学生の子どもと友人たちの日常を、
ママ目線で、書いている。

イギリスには、移民も多く、多様な国籍をもつ人がいて、
多様な性や、貧困、差別、いじめ、格差、虐待など
様々な問題があるようだ。
それらの問題を解決するのではなく、日々ぶつかりながらも
中学生の子どもが自分の力で乗り越えていく。
読み終わったあとは、スカッと心地いい。
青春の1ページを分けてもらったような。
題名にもある『色』が良い味を出している。
イギリスにも上記に書いた色んな問題があるんだけれど
最終的には国籍や所属関係なしに『人間』として
子どもがとらえたことがすごい。

私が読んでいてい勉強になったのは『演劇』について。
私は『お遊戯会』や『発表会』なるものに対し、
子どもの意志に関係なく大人が教え込むイメージが強く
「なんのためにやるんだろう?」
「やりたくない子はどうしているのかな?」
と、いつも思っていた。

しかし、イギリスでは中学校教育の中に
演劇(ドラマ)が教科、カリキュラムに入っているという。
しかも中等教育修了時の全国統一試験の受験科目でもあるそうな!
日常的な生活の中での言葉を使った自己表現力、創造性、
コミュニケーション力を高める教科だそうだ。
表情から気持ちを読み取ったり、
気持ちを表現すること、伝えることを訓練する。

DV、虐待、依存症など家庭内に問題を抱えていると
表情が乏しかったり、うまく感情を伝えられないことが多い。
自分の感情だけでなく、他者の感情を読み取ることもできない。
相手が嫌がって泣いたとしても
それが自分に対する「ストップ」の合図だとは分からない。
そういった子どもに対して、演劇遊びを通して、表情や感情、
コミュニケーション面での発育を補うそうだ。

あと『ライフ・スキル教育』という授業のことも勉強になった。
シティズンシップ・エデュケーション(市民教育)のことで、
「政治や社会の問題を批判的に探究し、エビデンスを見極め、
ディベートし、根拠ある主張を行うためのスキルと知識を
生徒たちに授ける授業」だそうだ。
子どもの権利条約や、エンパシーについて学んだという。

私は、大人だけではなく、子ども自身も
子どもの権利条約を学ぶのは大事だと思う。
子ども自身が、自分の権利が守られていると知っていれば、
自分の権利を侵害されたときや、
人と意見が異なっても「自分はこうだ!」と
声を上げやすいのではないかと思う。
子どもは大人の未熟版ではなく、
小さくても『ひとりの人間』だととらえたい。

また、エンパシーもこの本で初めて聞いたが
英英辞典では「自分がその人の立場だったらどうするだろうと
想像することによって誰かの感情や経験を分かち合う能力」のこと。
作者によると、「自分と違う理念や信念を持つ人や
別にかわいそうと思えない立場の人々が
何を考えているのだろうと想像する力」だという。
こ…これを、イギリスでは中学生が学ぶのか!
むしろ自分も含め”日本の大人たち”が今、学ぶべきことだろう。

教育で『生きる力』を身につけるというなら、曖昧な、
学校によってもやり方も異なる『総合的な学習の時間』ではなく
このような授業がいいなー。私こそ学びたい。

『里親』と子どもとの愛着関係が子どもにどう影響するか
作者の保育士としての経験談も非常に勉強なった。
日本だけではなく、ちょっと世界に目を向けて
視野を広げるという意味でも、この本は面白い!

生きづらいと思ったら親子で発達障害でした

この本も発売されてからけっこう話題になったが、
入園編・入学準備編が出たのでまとめて読んでみた。
子育て中のママの抱える辛さや孤独、不安は
だれにでも共感できる部分だと思う。
また支援の地域格差についても考えさせられる。
どこの地域で育ったとしても、支援を必要とする子どもに
確実に支援が行き届く『社会』になると良いなと思った。
『社会』を変えるためには、声をあげねば!

さて、私は、片付けが苦手なくせに
リビングが散らかっているとイライラするし
(気になるところと気にならないところがある(笑))
自己中心的だし、我慢できないし、注意力散漫だし、
忘れ物多いし、実はグレーゾーンなんじゃないかと
こっそり思っていたら
入園編の解説に自分の納得する答えが書いてあった。

筑波こどものこころクリニックの鈴木先生の言葉。
「実は、我々誰もが淡い色の発達障害を抱えているはずなのだ」
発達障害のグレーゾーンは、グラデーションになっていて
いくつか色の濃さを変えながら、重なっているそうだ。
色の濃さは違えど、だれもがグレーゾーン。
じゃぁ『白』である『定型』発達ってなんだ?

母子手帳にある子どもの成長曲線もそうだけど
ちょっと外れると、健診やら小児科やらで指導が入る。
先生は親切で言ってるのかもしれないけれど
親はその『定型』から外れたことで、傷ついている。
だれもがグレーゾーンだとして
支援を必要とする子も、必要としない子も、
1つの『個性』や『多様性』として受け入れたい。

最後に、子供向けの本

文字数も少なく簡単だから年長さんも読めるけど、
意味を考えるなら小学校低学年からがおすすめ。

メシが食える大人になる! よのなかルールブック

メシが食える大人になる! よのなかルールブック

  • 発売日: 2019/01/18
  • メディア: 単行本
 

他に『生きかた』という本もある。

ヤワな大人にならない! 生きかたルールブック

ヤワな大人にならない! 生きかたルールブック

  • 発売日: 2019/07/11
  • メディア: 単行本
 

中を軽く比較してみて
私は、『よのなかルールブック』の方を選んだ。

子育ての最終目標は子どもの『自立』だと思う。
親が死んでも、自分で生きていける子どもにすること。
そのためには
自分という人間を理解しないといけないし
自分を律しないといけないし
自分で自分を励まして前を向かないといけないし
色んな人(苦手な人とも)協力しないといけないし
色んな力が必要になる。

でも、いきなり全部はできない。
この本を少しずつ読みながら、出てくるルールについて
自分の経験やこうすればよかったことなどを伝えてみる。
苦いことも多いけど、意外と面白いよって(笑)

いくつかこの本のルールを紹介する。
・「モテる人」をめざす!
・自分の時間と同じように他人の時間も大切にする。
・他人を批判したくなったら
「自分はどうなんだ」と考えてみる。
・自分とは違う意見にも素直に耳をかたむける。
・親にカンペキを求めすぎない。
・どうしてもツラいときは、逃げる。

最後、50番目のルールが好き。
人生の主役は自分自身。人生の進路は自分で決める。