教員ママの!勝手に!滑川町改造計画

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教員ママの野望と活動と子育ての記録。滑川町のためにできること…?

『だっこ』を科学する

スキンシップが減っている?

ウチの上の子は、赤ちゃんの時は『ずっと抱っこ』だった。
寝たからそ~っと下ろそうとすると大泣きした。
全然下ろせなくて、家事ができなくて困った時期だ。
首が座り、腰が据わり、おんぶができるようになって
ようやく家事ができるようになった。
下の子は、ベビーベッドに寝かしておけることも多かった。
私が子どもの扱いに慣れたこともあるし、上の子がいるから
下の子にべったりという訳にもいかなかったし、助かった。
泣いたら抱っこ・泣いたらおっぱいだったが、
下の子をおんぶして、上の子とよく遊びに出かけた。

日本では、古くからおんぶの文化があった。
農作業をしながら、男の人も女の人も、子どもをおんぶする。
『添い寝』の習慣は、平安時代にまでさかのぼると言われている。
添い寝をするのも、布団で寝ていた日本の文化である。
添い寝をすることは濃いスキンシップになる。
くっついたり、腕枕をしたり、手をつないだり…
体の一部が親に触れていると、安心して眠れる子どもは多い。
日中の足りないスキンシップを夜中に求めているのかもしれない。

最近は、スキンシップが減っていると言われている。
他人に肌が触れることを苦手とする若者が増えているらしい。
ベビーカー派の人もいるし、お店ではかわいいカートもあるし、
車で移動する場合はチャイルドシートが義務付けられているので、
移動中の抱っこの必要がなくなった。
赤ちゃんの時は抱っこをすることも多いが、子どもが
少し大きくなると、抱っこや手をつなぐことを嫌がりもする。

抱っこが減ったと言われるが、地域性や家庭の事情によっても
様々なのではないかと考える。
田舎では車での移動(チャイルドシート)が多いし、
都会では電車やバスの移動で、ベビーカーか抱っこをする。
子ども乗せ自転車を使う人もいると思う。
外ではしないが、家では『おんぶ』をしている人もいるだろう。

ともあれ、今回は、抱っこ・スキンシップが子どもの成長に
良いということを紹介したい。

スキンシップのメリット

子どもの脳は、スキンシップで育つ

1950年代に心理学者ハーロウが行った実験。
生まれたばかりのサルの子に、
①ミルクがでるけど針金でできたサル人形、
②ミルクは出ないがやわらかい布製のサル人形
の2体と過ごさせたところ、
このサルはずっと②布製のサル人形にくっついて、
お腹が減った時だけ、①針金のサル人形の方に行くという結果だった。
これは、やわらかい肌の触れ合いを求めたといえる。

しかし、この実験を繰り返すうちに、
母親から引き離されて育ったこのサルは、成長しても
仲間のサルになじめないことが多く、キレやすいことがわかった。
解剖すると、脳の発達が悪く『成長ホルモン』や『セロトニン』など
心に安らぎや満足感をもたらす物質が極端に少ないことがわかった。

ラットを用いた実験でも、誰かに優しく触られたという皮膚感覚は、
脳の『視床』と呼ばれる、情緒を司る部分に伝わり、
気持ちの安定などに大きな役割を果たすという。
幼いころに受けた皮膚感覚は、生涯ここに残るそうだ。
逆に、全く触らないと、脳が育たない。
サルやラットでは、そのままヒトには当てはまらないかもしれないが
優しく触ることが『脳を育てる』ことにつながる可能性は
大きいと言えるだろう。
(それにしても動物実験はかわいそうになってくる…。)

スキンシップが多いと、自立心が育つ

子どもに求められるまま、抱っこをすることは
甘やかしになるのではないかと言われるときがある。
甘やかしが、子どもの自立を妨げるのではないかと。
しかし、1983年心理学者エインスワースの母子関係の調査では
『子どもの要求にすぐ応える母』(=甘やかしとみられそうな母)に
育てられた子どもの方が、自立しやすいという結果になった。

この自立心が高い人は「他人と親しくなるのに困難を感じたことはない。
他人に頼ったり、頼られたりするのが好きだ」というタイプである。
母親が子どもの要求になかなか反応しない場合、子どもは
「他人と親しくなりたいが、相手が期待に応えてくれない。
相手が逃げて行ってしまう」というタイプ。
母親が子どもの要求を拒否する場合、子どもは
「もともと他人を信用していないし、頼ろうという気もない」タイプ。

この母子関係は、成長後にも関係があると言われている。
また、桜美林大学の山口創教授が日本の大学生に実施した調査でも
母親とのスキンシップが多いほど、自立心が育つという結果になった。

脳内物質オキシトシンがよく出る

最近はテレビでも『幸せホルモン』として取り上げられることもある。
オキシトシンは、陣痛を促進したり、母乳の分泌を促すホルモンだが、
それ以外の母性行動にも関係するといわれている。
オキシトシンは、成長ホルモンや、セロトニンの働きを活発にする。

オキシトシンが幸せホルモンと言われる理由は、心が安定する、
自律神経を整える、ストレスに強くなりる、免疫力もアップするなど
様々なメリットがあるからであろう。

実は、女性だけでなく、男性からも出ているという。
人間同士の温かいスキンシップ、抱っこやおんぶによって分泌され、
増えることが分かっており、抱かれる子どもだけでなく、
抱く側の大人にも分泌されている。
オキシトシンは、だれに触れても出るわけではなく、
温かな雰囲気で、安心できる人と触れ合うことで増加する。
スキンシップ以外にもオキシトシンが増えることがあるようで、
ネットやテレビでも色々な方法が紹介されている。

心を抱っこする

子どもの心を抱っこする。言葉がうまく伝わらなくても、
その温もりから、心が通じあうこともある。
子どもの気持ちに寄り添うことが、心を抱っこすることだと、
“母の友”に出てくる保育園の園長先生は言う。
「あなたがいてくれてうれしいよ、ありがとう」と、
言葉だけでなく体全体で伝えることが心を抱っこすることだと。

子どもが泣いていて、なんで泣いているかわからないとき、
私はとりあえず抱っこする。
この子は何を求めているのかなと考えつつ、抱っこする。
抱っこをしながら「どうしたの?」「●●して悲しいの?」
「怒っているの?」など声を掛けながら、子どもの話を聴く。
抱っこすることで子どもも私も落ち着いてくる。

本当は、子どもだけでなく、
母親の気持ちも誰かに抱っこしてもらえると嬉しい。
「ママも頑張っているよね」「ママも大変だよね」と。

 

【参考】母の友 2014年10月号(特集2、だっこのふしぎ)